2016年2月19日金曜日

マギーズトーキョーへの寄付つき本:緩和ケアの壁にぶつかったら読む本

先日、私の初めての単著である、『緩和ケアの壁にぶつかったら読む本』が刊行されました。

自分自身が臨床をやってきて、ずーっと悩んでいたことやモヤモヤしていたことなどをまとめて、その哲学について公開しています。
発刊元である中外医学社のページでは

患者それぞれの死生観や状況,医療環境によって,決まった答えが出ない緩和ケア.それゆえ,緩和ケアに関わる医療者は,どんなに学んでも経験しても,必ず壁にぶつかる.本書では,医療者がぶつかる様々な壁を独自にカテゴライズして,その対処法を紹介.あいまいに使われがちな「寄り添う」という言葉をその概念から考えるなど,明言化が難しい事柄もできるだけ掘り下げて解説した.壁を乗り越える指針となる,バイブルとなる書だ.

とご紹介いただいています。

また、帯文は「暮らしの保健室」の秋山正子さんに、本当にお忙しい中、無理を言って書いていただきました。本当にありがとうございました。
「壁」は乗り越えられる!
あなた自身に語り掛けられているような文章。哲学的な思索の裏付けの中、分かりやすい表現。
この本は緩和ケアの実践現場で、日夜奮闘する若き西智弘医師が、治療医としての顔を持ちながら、患者や家族、そしてチームメートの悩みの声に耳を傾け、自らの中の「壁」にも気づき、それを乗り越える秘策を丁寧に公開しています。
緩和ケアのみならず、様々な臨床現場で活用できる事も多く、読み進むのが楽しくなります。
多くの方に読んで頂きたい1冊!

さて、この本ですが、実は購入するとその売り上げの一部がマギーズトーキョーに寄付される、いわゆる「寄付付き商品」になっています。

目次の前に寄付を示す文言を載せています。
マギーズセンターとは、「がんに直面し悩む本人、家族、友人らのための安息所」です。
詳しくはマギーズトーキョーのWebサイトをご覧いただくとして、このプロジェクトが素晴らしいと思うことのひとつは、寄付文化の乏しい日本において、チャリティーを中心に建設や運営資金確保を考えているというところです。
普通なら、国や自治体に働きかけて、補助金を得よう、と考えそうなところを、運営のおひとりが「日本に寄付の文化を」と言い切ったところに感銘を受けました。
しかし、継続的に寄付を集めるというのは実際には大変なことです。

継続的に寄付を集めるためには、継続的に売れる商品から、自動的に寄付が入るようにすればいい…という考えから生まれたのが「寄付付き商品」です。
寄付付き商品として有名なものとしては、例えば飲料水の「ヴォルビック」なんかがありますよね。その仕組みをマギーズトーキョープロジェクトでも取り入れて頂こう!と考えたのです(もちろん、先方に事前の承諾は得ています)。

寄付付き商品は単なる「寄付」という意味合いだけではなく、こちらにとってもメリットがあります。「マギーズトーキョー」という「信用」を寄付という名目で購入(取引)していると言えます(その意味では、寄付付き商品は厳密には寄付とは言えません)。
何でもかんでも寄付付き商品にするべきだとは思いませんが、マギーズトーキョーの理念に賛同しし、マギーズ側も「自分の看板を毀損しない」商品であれば、このシステムはもっと広まっていってよいと思います。

ちなみに、具体的な寄付割合ですが「著者が受け取る印税の30%」と出版社側に提示しています。著書を書かれた方ならわかるかと思いますが、そもそも印税の額というのがそれほど高いものではないので、その3割といえば微々たる額です。
個人的な思いとしては50%くらいでもよかったのですが、私としてはこの本を皮切りに、今後著書を書く先生方にもこのシステムを取り入れて頂きたいと考え、30%という割合を設定してみました。医師はそもそも、本の執筆で生計を立てているわけではありません。本業があることなのですから、こちらについてはその一部を寄付することくらい、よいのではないでしょうか?

マギーズセンターの本場、イギリスでも、その設立の初期の頃には「マギーズ運動」といって、賛同者が寄付金集めのために様々な活動を展開していたと聞いています。
寄付文化に乏しい日本においても、様々な方面からマギーズを応援していく仕組みを提案していくことが必要です。マギーズセンターは、日本においても患者さんや家族にとって、確かな光になるはずです。
私のこの本が、日本における「マギーズ運動」の推進にとって、少しでも助けになることを期待しています。