Pt's Voice021:落ち着いてしまうのもどうなんでしょうかね。


その方は、パズルに向き合っていた。
毎日
毎日
いつ行ってもパズルを組んでいた。

2週間前には大量に血を吐き、一時はどうなるかと思ったが、小康状態を保っているようだ。

「落ち着いているようでいいですね。この分だとご自宅にお帰りになるのも大丈夫かと思います」
と私が告げると、その方はパズルを組む手を少し止めて

そうですか。
でも、落ち着いてしまうのもどうなんでしょうかね。
私は、家庭を顧みてこなかったのでね。
帰ることなんてできるのでしょうかね。

そしてその方は、またパズルを組み立て始める
そのままずっと
毎日
毎日

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Pt's Voice=ペイシェンツ・ボイスは「患者の声」をデジタルアーカイブとして遺すプロジェクトです。

有名人の言葉は時を超え、後世に語り継がれ、その言葉は死ぬことはありません。
一方で、その人生を懸命に生きたひとりひとりの言葉も、その言葉に負けることがない輝きを持っています。
それらの言葉の生を引き継いでいくために、記録を残していきたいと思います(毎週月曜日更新)。


Pt's Voiceでは私の解釈は一切記しません。
患者・家族と私との対話のみです。
その生の声から何を学ぶか?それは皆さん次第です。

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