Pt's Voice020:お父さん、桜が好きだったね 見られているかな



たくさんの家族に見守られながら
その方は旅立っていった

若い父親は布につつまれ
まだ幼い子供たちは父へ贈る花束をもって
病院からの見送りにのぞむ

まだだよ
まだお別れじゃないよ
一足先に、おうちに帰っていてもらおうね

と、遺された母は、子どもたちにささやく

桜だね
お父さん、桜が好きだったね
見られているかな

春に生まれたその人は
桜舞う その春の中へ還っていった

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Pt's Voice=ペイシェンツ・ボイスは「患者の声」をデジタルアーカイブとして遺すプロジェクトです。

有名人の言葉は時を超え、後世に語り継がれ、その言葉は死ぬことはありません。
一方で、その人生を懸命に生きたひとりひとりの言葉も、その言葉に負けることがない輝きを持っています。
それらの言葉の生を引き継いでいくために、記録を残していきたいと思います(毎週月曜日更新)。


Pt's Voiceでは私の解釈は一切記しません。
患者・家族と私との対話のみです。
その生の声から何を学ぶか?それは皆さん次第です。

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