デザイナー小林花が描く、身体のコンプレックスからフリーになるファッション


暮らしの保健室で毎週第3水曜日に開催している勉強会「Small Labo」。
今回の講師は早稲田大学の小林花さんだったのだが、その内容が衝撃的過ぎた。

タイトルは『身体の多様性とファッション』

タイトルだけだと何のことかわからないだろう。
私もはじめは何のことかわからなかった。
しかし、そのプレゼンはこの世界の切り取り方を変えるものだった。

彼女のストーリーはこうだ。

旅行先の銭湯で、そこに来るお客さんたちの身体をずーっと見つめていたときに、人の身体カタチはよく見るとこんなにも違うのかと、とても驚いたのだそう。
一言で「太っている」と言っても、お腹周りを中心に肉がついている人もいれば、全体に肉がついているのだけど肩や足首のラインはすごくスッキリと見えるとか。
でも、既存の画一的な水着は、個々それぞれに違う身体の美しさを型にはめてしまう。
ビキニは元々、欧米人の豊かなバストと、丸みを帯びたヒップ、そしてその凹凸を強調するデザイン。東洋人はそもそも骨盤の形状が異なるので同じような美しさは出せないことが多い。
それにもかかわらず、私たちの常識はいつからか「(欧米型の)服に似合う身体こそが美しい」と思いこまされてしまっている。
本当はそうではないのに。



そこで彼女は水着やドレスなどのデザインを通して、
「個としての人間が自分に真にしっくりくるかたちで自分の身体を表現する手段を作ること」
と考えたのだそう。
どんな既存の服を着ても似合わない自分にがっかりして、コンプレックスを背負いながら生きる人生ではなくて、
自分を表現する服を着られれば、自分の体を愛せるようになり、これまでの常識からフリーになった生き方ができる。

そしてその先には、
「女はこう」「男はこう」といった性の/社会的役割の2色分割の世界観を自己や他者にあてはめる盲目をやめて、目の前の人間がその魅力や能力をストレートに発揮できる未来を描き、現実のカタチにする
ということを考えているのだそう。

写真は小林花Instagramから

例えば、バストが大きいことによって、水着を着るとその瞬間から「性の対象物」のように見られることが悩みだった女性へは、胸を完全に覆い、その代わりに身体の横を大きく開けたデザインの水着とすることで、その方の身体性の美しさを表現した。
生まれた時から男性性と女性性の両方を持っている方へは、身体の動きによって胸筋や腹筋を見せることで男性的な表現もできる一方で、ヴェールのように体を覆うことで女性的なシルエットも出せる服をデザインした。

これまでの「型にはまった」ファッションという概念をぬけて、かといってユニセックスのデザインにはまるのではなく、その個々人との対話と身体性の美しさの発見から生み出されるデザインというのは、これからのダイバーシティを生きていく私たちにとって、画期的なことなんじゃないだろうか。

デザイナー・小林花は、もっと世の中に知られるべき才能だと思う。
門外漢の私が何かできるわけではないのだが、少しでもこの才能を広めたい。
※太字部分は小林花facebookから引用

↓FREAKUM DRESS on MAKERS DEMO DAY by Hana Kobayashi

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