Pt's Voice009:死んでもいいから治療を受けたい


「もう、使える抗がん剤はありません」
という医師の宣告に
その方はこう答えた。

強い瞳
悲愴な面持ち

「死んでもいいから 治療を受けたい」
その矛盾したこころ

その奥にあるのは
依存か
恐怖か
突き動かされる意志なのか

医師は 明らかに命を縮める薬を使うことはできない
それが患者のため
でもその言葉は 届かない

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Pt's Voice=ペイシェンツ・ボイスは「患者の声」をデジタルアーカイブとして遺すプロジェクトです。

有名人の言葉は時を超え、後世に語り継がれ、その言葉は死ぬことはありません。
一方で、その人生を懸命に生きたひとりひとりの言葉も、その言葉に負けることがない輝きを持っています。
それらの言葉の生を引き継いでいくために、記録を残していきたいと思います。

Pt's Voiceでは私の解釈は一切記しません。
患者・家族と私との対話のみです。
その生の声から何を学ぶか?それは皆さん次第です。

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