医療に人生を合わせるのではなく、人生に医療を合わせる。


先日、私のツイートの中では結構RTされた投稿があったので、ちょっとまとめてみる。

私は腫瘍内科医で、基本的には患者さんに抗がん剤治療を行うことがメインの仕事だが、私の外来では結構な割合で「抗がん剤は希望しません」という方が出る。
最近もまた、2名ほどの方が、抗がん剤治療を希望されずに緩和ケアに専念する生き方を望まれた。
しかし、全員が抗がん剤を希望される価値観なんてあるわけがなく、一定数こういった方がいる方が普通。
皆さん、私の外来で「自分の望む生き方」を話されていく。
医師側が一方的に「あなたの生き方は抗がん剤を行いながら生きていくことに決まりました」としなければこうなる。

外来でまず聞くのは「病状をどう受け止めているか」。
その次に抗がん剤の説明をするが、他に「あなたはこれまでどういう人生を歩んできていて、これからどうしていきたいか」「今の心の支えとなっているものは何か」といったことを聞く。それがないと、その方に抗がん剤がいいかを決められない。
最初は「抗がん剤なんて受けません」と言っていた方でも、患者の望む未来のために抗がん剤が必要と考えれば説得するし、「抗がん剤受けようかな」と言っている方でも、副作用の影響が大きく生き方を損なうようであれば勧めない。

医療に人生を合わせるのではなく、人生に医療を合わせる。
それは当たり前のこと。


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