2014年6月18日水曜日

腫瘍内科と緩和ケアの統合

腫瘍内科と緩和ケアの統合について、近年論文も発表されてきており、世界的にも注目が集まってきている。

緩和ケアは治療早期から関わることがベスト、という中で、緩和ケア医も抗癌剤治療などの内容に通じていることは重要であるし、腫瘍内科医にとっても、担当する患者さんのうち(専門にもよるが)、半数以上は根治が難しい緩和的化学療法の方であり、自らも緩和ケアを提供できる必要がある。

このように書くと、腫瘍内科と緩和ケアの統合についてのシステム構築や教育研修体制整備はすぐにでも開始すべきである、と思われるかもしれないが、ことはそんなに簡単ではない。
単に、同じ科の中に腫瘍内科医と緩和ケア医がいて、定期的にカンファレンス(キャンサーボードのように)を行っていれば「統合」されたことになるのか?それは必ずしも真ならず、だろう。腫瘍内科医、緩和ケア医の双方が、お互いの領域をある程度カバーできるくらいでないと、実際には「統合」されたとは言い難い。まずは双方の教育こそが大切である。

しかし、どのように教育研修体制を作っていけばいいかも、わかっていない。研修医が腫瘍内科を半年、緩和ケアを半年、ローテート研修すればそれで学んだことになるのか?それとも、腫瘍内科も緩和ケアも一緒に学べるような部門を設立した方が良いのか?
そもそも、本邦においては腫瘍内科も緩和ケアも、専門科としては新しい部類に入る分野であり、大学での講座も少ないし、ましてや両者が統合されて教育を行っているところはもっと少数である。
これは、大学だけではなく、市中病院などについても同じ事が言える。

当院では、来年から正式に私が「腫瘍内科」を標榜し、消化器癌の臨床と院内のがん治療体制の整備を行っていくことになった。ただし、ケアセンターから大きく離れるわけではないので、これまで緩和病棟・緩和チーム(緩和ケアセンター)・在宅ケア・地域包括ケアを一手に行っていた、かわさき総合ケアセンターに、腫瘍内科としての機能が加わることになる。
うちのボスは「抗癌剤治療から緩和病棟、在宅ケアまで。がんも非がんも」1つのセンターで臨床・教育を行っていくことを考えているようで、これが実現していけば、当院はかなり最先端な教育研修施設となりうるのではないかと期待している。

腫瘍内科と緩和ケアの統合、そしてそのための教育を日本で展開していくための道のりは遠い。しかし、できる範囲で各施設が工夫を凝らし、国内外のさらなる研究や実践の内容を取り入れ、患者さんに取って有意義なシステムを作っていくことが求められてきている。

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