コンサルタントの難しさとやりがい

緩和ケアチーム(当院では「がんサポートチーム」)とは、呼吸器科、外科、泌尿器科・・・など、がん診療に携わっている科のがん患者さんに、緩和ケアを提供するチームである。
自分が主治医になるわけではないので、最終的に診療の責任を負うわけではないが、主科の先生ががん診療に集中できるよう、サポートしていくのが仕事である。
仕事の内容は多岐にわたり、疼痛や吐き気などのコントロールから精神的ケア、抗がん剤の副作用対策、緩和ケア病棟や在宅部門との橋渡し・・・などなどである。

このようなコンサルト業務をはじめて1ヶ月近くたち、仕事もようやく軌道に乗ってきたが、意外と難しいのが「自分が主治医では無い」ということからくる診療のしにくさである。

つまり、業務の対象となるのが「患者さん(と家族)」だけではなく「主治医」でもあるため、そのバランスを取らなければならないということである。
多くの患者さんは主科の治療方針があるため、その治療方針を阻害するような方針はたてられない、ということである。
慎重になりすぎて、時間をかけることもできないし、
一方で、性急にやりすぎては患者さんに問題が起こるかもしれない。
また、緩和ケアで使う薬は副作用のある薬もいくつかあるが、
薬の副作用が出て、それが遷延すれば、治療方針が台無しになることもある。
かといって、副作用のリスクがあっても症状緩和のためにどうしてもその薬を使いたいときもあり、自分が主治医で診療しているとき以上に神経を使う。
しかも、緩和ケアはいつでも100%の結果が出せるとは限らないため、常に、自分の診療を毎日他者(しかも大抵は自分よりも年長のDr)に評価され続ける、というプレッシャーもある。

しかし、担当患者数が増えてくると、自分たちチームが院内で信頼されている気にもなり、やりがいがあるのも事実である。
患者さんが良くなって、笑顔になるときのうれしさは変わらない。
そして何より、自分がやりたいと思っている「早期からの緩和ケア」に関われるのが楽しい。
Advanced Care Planningも限られた患者さんだが少しずつはじめようと考えている。

患者さんの中には、私たち緩和ケアチームの存在を知らない患者さんもいるし、
DrやNsの中にもいまだに「緩和ケアは末期になってから紹介するもの」と考えている方もいる。
そのため「こんなチームからケアを受けられると知っていれば、もっと早く紹介してもらったのに・・・」という声を患者さんやご家族から頂くこともある。
これからも患者さん、ご家族、そしてスタッフのために、緩和チームの実態を宣伝し、緩和チームは診断時などの早期から関わっていくべきことを知って頂き、チームが関わるといいことがある、と信頼して頂けるように実績を積み重ねていく必要がある。

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