内科症例検討会で腫瘍内科を語る

17:00からの内科症例検討会で、「栃木で勉強してきたことをしゃべれ」というお達しだったので、つくりましたよ、スライド50枚!

日頃の鬱憤を晴らすべく、腫瘍内科というか現在のがん治療を取り巻く問題をぶちまけました。
標準治療が普及していない、患者さんや家族への説明がきちんとされていない、巷に情報があふれていて患者さんも医療者も混乱している・・・などのテーマについて熱く語らせて頂きましたが、伝わったかな?

私は、標準治療をきちんとやること、副作用と効果のバランスをみながら上手にコントロールしていくこと、患者さん・家族と一緒に(あるいは一歩下がって)歩いていくこと、が大事だと思うのです。
標準治療といえども乱暴に成されればそれは暴力になりえます。心ない説明をされれば傷つきもするでしょう。
その反動で、知らないうちに医療者は「標準ではない治療」に患者さんを送っている側面があると思います(医療者は「あんな治療に手を出して!」とよく言いますが)。

がんの治療はとても繊細な一面をもっています。
患者さんは人生の危機に直面し、様々な面で非常にナイーブです。
私たちは患者さんの気持ちを本当の意味で理解することはできませんが、寄り添っていくことはできます。
患者さんにとって、何が大切なのかを常に考えながら、プロフェッショナルとしての技術をもって、患者さんの生き方をサポートしていく必要があると、改めて考え直す良い機会でした。

コメント

  1. 先日,がんの終末期に行けばいくほど,繊細な処置や
    抗がん剤以外の薬の量の加減だとか
    本当に内科力が必要になりますよねと
    貴院の緩和ケア科部長にお話ししたところ,
    先生,内科力ではなくプライマリーケア力が必要なんだよと
    お返事をいただきました.
    言えることは,終末期に近づけば近づくほど
    患者のことを丁寧に診る能力が必要になると
    僕も思っています.
    井田病院でも頑張ってください!

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