余命はもういくばくもない
その方は痛みと呼吸のつらさに喘いでいた
夜は途切れ途切れの眠り
そしてそれは昼も続く
また朝が来てしまったのかという苦痛
傍らにつきそう妻は
「もう楽にしてやってくれませんか、せめて眠らせてあげてください」
と涙ながらに訴える
しかし医師は首を縦にはふらず
「まだできる治療がありますよ」
と告げる
妻はついに泣き崩れ
「こんなに苦しんで、どこが緩和ケアなんですか?」
と叫ぶ
「まだできる治療があるんです」
と、ただ医師は繰り返す。
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Pt's Voice=ペイシェンツ・ボイスは「患者の声」をデジタルアーカイブとして遺すプロジェクトです。
有名人の言葉は時を超え、後世に語り継がれ、その言葉は死ぬことはありません。
一方で、その人生を懸命に生きたひとりひとりの言葉も、その言葉に負けることがない輝きを持っています。
それらの言葉の生を引き継いでいくために、記録を残していきたいと思います(毎週月曜日更新)。
Pt's Voiceでは私の解釈は一切記しません。
患者・家族と医療者との対話のみです。
その生の声から何を学ぶか?それは皆さん次第です。
誰のための治療?
返信削除誰の人生?
そこが無視された医療は存在意義がない。
昨夜、義兄が旅立ちました。
全て義兄が決断し、
全うした人生でした。
眠るように旅立ちました。
私はあの病院、あの医師、
全てのスタッフに感謝しています。医療の本来の姿を見せていたと思っています。